インターハイ予選 (2015年5月)
武蔵●55-61○学芸大付属
(8-21,16-13,18-16,13-11)
◇3回戦観戦記
重苦しい入りとなった。決して相手の動きも良いとは言えず、全体にたどたどしさがあったが、学芸大附属はファウルを取られながらも果敢なディフェンスで流れを掴んだ。その点、武蔵は攻めにおいては萎縮しがち、守りにおいても迫力を欠き、着実に点差をつけられてしまった。
主将の#4関口が気を吐き、難しいシュートを随所で決めるも、1ピリオド終了時点で8-21。
立ち上がりの緩慢さは例年課題と言われる。今回は最後の試合になりかねないという状況もあってか、相手の気迫に飲まれてしまった。実力では拮抗ないし優っていると思えただけに、この序盤の展開がとても惜しい。
武 蔵は2-3ゾーンディフェンスを折々で組み、2ピリオド以降いよいよロースコアゲームとなる。相手の得点を止めることに成功したが、こちらの点も入らな い。良い形でシュートに結びつく場面もあれば、相手のファウルトラブルによりフリースローもかなりの本数を与えられたのだが、チャンスを掴めなかった。
我 慢のディフェンスを続け、#5青沼のスリーポイント、1年生ながら頼もしい体の強さでリバウンドからの得点を量産する福地の活躍などで一時4点差まで詰め たものの、肝心のフリースローが外れる。さらにもうひと頑張りというところでシュートチェックが甘く相手のスリーポイントを許すなどして一進一退。あと少 し!!と念じ続けるも、最後は6点差で終了した。
ここぞという時に威勢良く張り切って流れを掴み取る、そういったある種のふてぶてしさ、貪 欲さといったものが無かったのが非常に勿体無い。中学生のときから、現高3は気が優しく、目の前の相手をやっつける、勝つ、といったことにあまり執着が無 かったように思う。能力の高い選手ばかりであっただけに、応援する側としてはとても歯がゆい思いであった。
と はいえ、下級生も一丸となってひとつのチームを形づくるのが近年の武蔵だ。その意味では、試合に出る下級生は負けん気も強く勢いを与えてくれる非常に期待 できる選手ばかりなので、全体として本当に良いチームだったと思う。高3が5人と少ないなかで、本当によく最後まで頑張った。OBら応援席も大いに盛り上 がった。ぜひ、来週も試合を観たいと思ったが、今年はここまで。高3は引退を迎えた。
ひとまずは受験を乗り越えて、また一緒に武蔵を強くしていってもらいたい。無念の惜敗であったが、彼らの静かな闘志や悔しさを一番近くで見ていた後輩が、必ずや雪辱を果たしてくれるだろう。
来シーズンも楽しみである。
(83期 菅原超)
2015年6月10日